編集者生活二十余年。取材や打ち合わせには基本的に出向いて対象の人と会いますが、遠方の取材先や著者とコミュニケーションをとるには、出張や、電話取材という方法で行なってきました。

出張して直接会って話を聞くことがベストであり、相手の表情や顔色がわからない電話取材という方法は、気持ちの一部を置いてけぼりにしてきたような、一抹の味気なさを残したものです。

 

しかし先日、初めての経験をしました。海外在住の著者と、スカイプを使って長時間の取材を終えたのです。通信料は無料で、画面に映る遠方の相手の表情や顔色、声音を確認しながら取材ができる時代になりました。

 

「これはテレビ電話だ。ドラえもんの世界だ……。」

 

笑われそうですが、これは間違いなくぼくらの世代では、遠く未来に実現すると子どもの頃に考えていた技術です。

 

こちらのさまざまな質問に対して、相手が考えてくれている、喜んで話している、丁寧に言葉を選んでいる、一瞬答えづらそうにしている……。電話取材ではわからなかった、相手の息づかいが伝わります。

 

もちろん会っていないので名刺をもらうことはできないし、微小なシワなど本当に細かいことはわかりませんが「実際に会ったことがないのに面識があって親しい人」という存在が、世の中に現れます。

 

リニアモーターカーや札幌への新幹線がやっと開通する頃には、出張に行く人がグンと減っているかもしれません。

 

読者の皆さんは、21世紀の技術をどう活用されていますか。

 

 

 

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